住宅ローンを借りる場合の注意点について

お金

人生で一番大きい買い物が、住宅やマンションの購入であることはよくあると思います。

また住宅を購入する際、すべて自己資金で購入する方はあまりおらず、住宅ローンでお金を借りる場合が多いのではないでしょうか。

この投稿では、住宅ローンを借りる場合、どのようなリスクがあるか、どのような点に注意すべきかがわかります。

借りられる金額と返済できる金額は異なることを自覚する

そもそも住宅ローンはどれくらい借りることが出来るのでしょうか?一般には、会社員であれば、年収の5〜7倍程度は借りることが出来ると言われています。

しかしながら、ここでのポイントは、借金は最大限借りるのではなく、ライフプランに合わせて返せる分だけ借りるということです。住宅ローンは20年とか35年とか非常に長い期間の契約になります。人生は何が起こるかわかりませんが、この長い間、勤めている会社が潰れたり、自分が病気になって働けなくなったりすることもあり得ます。もしかしたら、親の介護などで引っ越さなければならない場合もあるかもしれません。

昔であれば、給料は右肩上がりで上がることを期待できますが、今の時代は給料が下がるかも知れません。不景気になればボーナスが出ないこともあり得ます。

こうした万が一の場合に、借りたお金が返せない状況にならないよう、余裕を持った借入を行うことが重要です。決して、銀行の営業マンや不動産屋に営業マンの「もっと借りられますよ」という甘い言葉には騙されないようにいたしましょう。

手数料を含む全てのコストを把握する

借入先は必ず複数の借入先に聞いて条件を比べましょう。不動産屋の営業マンにお任せしてはいけません。借入条件は銀行によって意外に条件が異なります。条件を確認するにあたっては金利以外の手数料にも注意が必要です。保証料など、金利以外の費用も馬鹿にはなりませんので、費用を比べる場合は、金利以外の全ての費用を勘案することが大事です

また、住宅ローンでは、借主が死亡した時などに備えて、一般に団体信用生命保険への加入が義務付けられています。団体信用生命保険にはいろいろな種類がありますが、保険の費用は金利に含まれますので、金利で何%相当が保険のコストかもチェックしておきましょう。

大切なことは、「金利はどれくらいですか」ではなく、「金利だけでなく手数料を含め、オールインのコストはどれくらいですか」と聞くことですので、手数料を含む全てのコストを確認することが必要と覚えておきましょう。

固定金利か変動金利か選択する

一般に金利を固定化することは銀行にとってはリスクと捉えますので、固定金利にはマージンと言われるプレミアムが乗せられます。結果、借りる側からすれば、変動金利で借りる方が金利の相場感を抜きにすれば「お得」という場合が多いです。「これから金利が上がるかも知れないので、金利をどうしても固定しておきたい」と考えるのであれば、最初から固定金利というのもありとは思いますが、最初は変動金利で、金利が上がり始めてから途中で金利を固定化するという選択肢もあります。

また、固定金利の借入金を一括返済する場合、あるいは借り換えを行う際には、変動金利ではかからない追加コストがかかる場合があることも注意が必要です。

私は借りるのであれば変動金利で良いと思いますが、固定金利を否定する立場ではありませんので、コストを確定したいという方は固定金利を選択しても結構かと思います。

夫婦の共倒れを防ぐ

住宅ローンでは、土地や建物が共有名義の場合は、連帯債務として夫婦が住宅ローンに同じ義務を負う場合が普通です。

土地や建物が共有名義ではなくても、買入額を増やすため、夫婦の一方が主債務者、もう一方が連帯債務者となるケースもよくあります。

また、共働きの夫婦にありがちですが、ペアローンと言って夫婦それぞれが共同名義の土地や家に対してそれぞれ債務を負い、相互に債務を保証するという仕組みもあります。

ここでの注意点は、夫婦が一緒の債務を負っていたり相互に保証しているようなケースは、万が一の場合は共倒れのリスクが高いということです。最悪の場合で言えば、夫婦一緒に自己破産するというリスクがあることは知っておくべきです。

夫婦の共倒れリスクを避けるためには、連帯債務、連帯保証は可能な限り避け、連帯債務、連帯保証を行わない前提でのローンを組むようにいたしましょう。想定したくはありませんが、離婚する場合も連帯債務、連帯保証があると面倒な協議が必要になります。

借入は単独の単純な形で組成しておくことが、将来に予期せぬ事態が起きた時でも対処を容易にする重要なポイントになるということです。

住宅ローン控除などの税制メリットに騙されない

住宅ローン減税制度は、住宅ローンを使って住宅を取得する場合に、取得者の金利負担の軽減を図るための制度です。毎年末の住宅ローン残高又は住宅の取得対価のうちいずれか少ない方の金額に応じて所得税や住民税が減税される仕組みになっています。

しかしながら、これはあくまでも払うべき税金の控除ですので、ローン残高があれば魅力的な制度であるものの、この制度があるから借金をするというものではありません。あくまでも付帯的に活用する制度であるということを心得ておきましょう。

先に述べたペアローンですが、「借入額も増やせるし、住宅ローン控除の枠が夫婦2人分使えるのでお得ですよ」というセールストークを聞くこともあります。しかしながら、冷静に考えれば、税額控除のために借入額を増やすというのは本末転倒ですから、借入額はあくまでも安全に返せる範囲に留めるようにいたしましょう

万が一の予備資金を用意しておく

借入の一番の恐さは、勤めている会社の倒産、自分の病気など、予期しないことが起きた時、借入金の返済を継続できるか否かです。

もし返済が滞ると、一括返済を求められたり、返済が出来ないのであれば担保に入れた家を売却して返済しないといけないということになります。さらに恐ろしいのは、家を売却しても借金が残る場合は、もう何も資産を持っていないにもかかわらず、残った借金を返済し続けないといけないということです。

したがって、万が一のことが起きたとしても直ぐに返済が滞らないように、半年程度は手元の資金で借入金の返済ができるように予備資金を用意しておくことが安全です

手元に資金を残しておくという意味では、無理して頭金を入れるのも出来るだけ避けた方が良いと言えます。借入条件との兼ね合いもありますが、頭金を入れるよりは手元に資金を残しておくべきで、手元に残した資金を運用に回しておく方が結果的に「お得」という場合が多いです。

万が一の事態が発生した場合は、ある程度の備えがあっても、結局は万策尽きて自己破産を検討せざるを得ない場合もあり得ます。その場合は、自己破産は再出発する上での最後の手段として割り切って使う勇気が必要ということも頭の片隅に置いておいてください。

家を購入する前に検討すべきこと

住宅ローンは長期間に及ぶ借金ですので、何が起こるかわからない不確実性の高い現代では、それなりにリスクがあることを忘れてはなりません。

その意味では、そもそも借金をして家を購入するという判断が自分にとって一番正しいかを最初に確認する必要があります

例えば、賃貸借契約であれば、生活が一変すれば適した物件に引っ越すことも容易ですし、大きな借金を負うこともありません。土地や住宅の購入に充てる資金を将来の安定的な生活費を得るための運用に回すこともできます。

何が起こるかわからない社会、人生の中で、現時点での見通しに基づいて大きなお買い物をするという最初の判断こそが何より重要と言えます。

まとめ

住宅ローンを組む場合は、長期に及ぶ契約だからこそ、予期しない事情の変化があっても不幸なことにならないように十二分に気をつけて契約を締結する必要があります。

また契約書の内容では専門用語が多く、法律的に注意すべき点がたくさんあります。営業マンの言いなりで契約するのはもっての外ですが、こちらでも専門家に見てもらうくらいの慎重な対応を致しましょう。

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